コリン・エラード『イマココ―渡り鳥からグーグル・アースまで、空間認知の科学』

空間認知におけるふたつの問い「ウェイファインディング」と「ナビゲーション」のふたつの視点から、議論が展開される。「ここからあそこに行くにはどうしたらよいか?」が「ナビゲーション(経路決定)」で、「自分はいまどこにいるのか?」が「ウェイファインディング(位置の特定)」である。
”シンプルにいえばナビゲーション(経路決定)とは、「ここからあそこへ行くにはどうすればいいか?」という問題だ。ウェイファインディング(位置の特定)は、「自分はいまどこにいるのか?」という問いである。私たちはナビゲーション能力を使って、未知の場所でもルートを探し出し、目的地へたどり着く。だが、ウェイファインディングがなければ、自分の現在地がわからなくなってしまう。” p.15
空間を設計している人間としては、パート2が直接的なレファレンスになりそうだった。物理的な空間のレイアウトが我々の空間認知とどのように関係しているのか、というもので、都市やオフィス、あるいはカジノにおいてどう設計がされているかの指摘は、以前読んだ『デザインされたギャンブル依存症』のものと近しい議論だった。ここでも当然ビル・フリードマンが出てくる。カジノ研究。一般に言われていることだけど、高い天井と壁が低く奥まで見通しが良い整然とした空間で人は発散的になり、天井が低く壁が高く雑然としたプランにおいて人は手元に集中するようになる、という知見がここでも出てきている。