原広司《田崎美術館》(1986)

《田崎美術館》(1986)
設計:原広司+都市・建築計画センター・ベーシック アトリエ・ファイ建築研究所
軽井沢の森の中に位置する、積乱型の屋根や幾何学的な平面・立面構成が特徴的な空間。
夏の間だけ開館し、洋画家の田崎広助の絵画ののみを展示という条件のもと、既存の美術館には見られないチャレンジングな外光に対する設計がなされている。トップライト・ハイサイドライト゚など、多様な外光が空間の中に入り交じるので、特定の光源と特定の光環境、みたいな読み解きが難しい。訪れたときは曇り空だったのでなおいっそう、ほとんど影が落ちておらず、くもり空がそのまま現れているようだった。
構成に関しては原さん固有の集落研究後に見られる規則的なパターンをしかしリズムや反復・ずらしなどさまざまな変奏が繰り返されていて、幾何学的なのにその構成にいかめしさをあまり感じない。テクスチャーとしてみてもそこまでタイプの違いがあるように見えないのだけど、しかし空間にある種の奥行きを感じる。晴天時や朝・夕などにも改めて訪れたいと思える空間。