白井晟一《芹沢銈介美術館》

白井晟一設計の芹沢銈介美術館。1981年竣工。染色作家で人間国宝、芹沢銈介1の作品が並んでおり館内は撮影禁止だったのだけど、内部空間が良かった。
建築自体は基本片流れの屋根なのだけど、内部の天井に飾り天井があってそれは切妻屋根の分棟が連続するような空間性。だからか片流れ屋根の内部空間にありがちな強い方向性や階高の違いみたいなものが生まれづらくなっていて、良い意味で空間や作品と鑑賞者が自然と近くなるようなスケール感が生まれていた。
登呂遺跡2が位置する公園の中に美術館があり、その遺跡の雰囲気と呼応するような石、木、そして水(噴水)などが象徴的なのだけど、中庭の噴水と水盤は添付した画像のところぐらいからしか見ることができず、その噴水の前に松が置かれているので、噴水による強い象徴性をやわらげるような設計も面白い。

近くには芹沢が住んでいた東京蒲田の家が移築されていた。木造二階建て。立面の感じが良かった。
1芹沢銈介(1895–1984):染色家。柳宗悦らの民藝運動に参加し、沖縄の紅型に着想を得て「型絵染」を発展させた。鮮やかな色彩と簡潔な文様による作品で知られ、1956年に重要無形文化財「型絵染」の保持者(人間国宝)に認定された。
2登呂遺跡(とろいせき):静岡市にある弥生時代後期(約2,000年前)の集落・水田遺跡。住居跡、高床倉庫、水田跡が一体となって発見され、日本の弥生時代の稲作社会を具体的に示す代表的な遺跡として知られる。1952年に弥生時代の遺跡として初めて国の特別史跡に指定された。